NBAドラフト


NBAドラフトについて書こうと思っていたのですが、気がつけばいつの間にか7月になってしまいました。本来ならFA市場が解禁される日ですが、今年は1998年以来のロックアウトに突入。来季の開幕に影響がなければいいのですが……心配です。1日も早い新労使協定の締結を祈るばかりです。


さて、今年のNBAドラフトですが、上位指名は概ね順当な結果となり、大きなサプライズはありませんでした。ドラフト当日のトレードも、いくつかの動きはあったものの特筆するほどのビッグトレードは成立せず。スティーブ・ナッシュパウ・ガソル、トニー・パーカーといったビッグネームのトレードの噂が飛び交っていましたが、結局噂止まりで終わりました。


そんな中で、個人的に驚いたことといえば、ヒートがドラフト当日のトレードアップを敢行したことでしょうか。ヒートはドラフト2巡目31位指名権と2014年の2巡目指名権、さらにキャッシュをウルブズに放出し、28位指名されたノリス・コール(クリーブランド州立、PG)との交渉権を獲得しました。もともと28位指名権を持っていたブルズがコールを指名、その後ウルブズへトレードし、さらにウルブズがヒートへトレードという形です。


PGがヒートにとって最優先で補強すべきポジションだったのは確かですが、ルーキーPGが即戦力として通用するかは未知数です。また、ヒートはもともと31位指名権を持っており、コールが(ヒートへの放出前提で)指名されたのが28位ですから、順位差は3つだけ。運がよければそのまま31位指名権を保持したまま待っていてもコールを獲得できた可能性はありますし、コール以外にもダリアス・モリス(ミシガン)やシェルビン・マック(バトラー)らが残っていました。それでも敢えて、将来の2巡目指名権と金銭を手放してまでコールを獲得しにいったということは、パット・ライリーがそれだけコールを高く評価しているということでしょう。現にライリーは、今ドラフトの指名候補の中で、コールを全体で18番目、PGではカイリー・アーヴィング(デューク)、ブランドン・ナイト(ケンタッキー)、ケンバ・ウォーカー(コネティカット)に次ぐ4番目にランク付けしていたと語っています。つまり、10位指名でキングス入りしたジマー・フレデット(ブリガムヤング)よりも上。かなりの高評価です。


コールは身長6-2のPGで、4年生だった昨シーズンは平均21.7得点、5.8リバウンド、5.3アシストという見事な成績を残し、チームをNCAAトーナメントに導きました。クイックネスとディフェンス力に定評があり、105試合連続で先発出場を果たすなど怪我が少ないことも高評価につながっているようです。ヒートが1巡目指名のルーキーを獲得するのは、2008年に全体2位指名されたマイケル・ビーズリー以来3年ぶり。奇しくも、コールの背番号はそのビーズリーと同じ30番に決まりました。28位指名で入団したルーキーが、思わぬ掘り出し物となるのでしょうか。楽しみです。