ヒートがペニー・ハーダウェイと契約


いやぁ、びっくりしました。全然補強が進んでいないヒートでしたが、次の一手がペニーとは全く予想できませんでした。


ペニーとの契約により、シャックとペニーは95-96シーズン以来のチームメイトとなります。オーランド・マジックを初のNBAファイナル進出に導いた2人でしたが、その後の歩みは対照的です。シャックがレイカーズ、ヒートで4つのチャンピオンリングを獲得したのに対し、ペニーは怪我に泣かされ続け、2005年11月を最後にNBAの舞台から姿を消していました。


シャックはヒートに移籍後、かつてのチームメイトだったペニーとコービーに対して批判的なコメントをしたこともあり、シャックとペニーが再びチームメイトとしてうまくやっていけるのかを危惧する人も少なくないでしょう。ただ、今回ペニーと契約するに当たり、チームは事前にシャックとウェイドに確認して了解を得ていたとのこと。また、ペニー自身も、昨年ヒートのワークアウトを受ける際、シャックと長時間の話し合いをしたことを認め、「会話の内容は素晴らしいものだった。我々はお互いに悪い感情を持っていない」とコメントしています。シャックとペニーの関係については、大きな不安要素にはならないでしょう。


それ以前に、最大の不安点は、2年ぶりのNBA復帰を目指すペニーが再びNBAレベルのプレイを取り戻せるかどうか、ということに尽きるでしょう。失われた試合勘、膝の怪我の回復具合、年齢による衰えなど、懸念材料は数多くあります。今回のペニーとの契約はノン・ギャランティー(保証なし)契約となっており、トレーニングキャンプやプレシーズンゲームで結果を残せなければ、シーズン開幕前にカットされる可能性も十分にあります。NBA復帰へ向けてのペニーの戦いは、既に始まっています。


一方、ヒートとしては、ペニーの契約が保証される前に(いつの時点で保証されるのかは不明ですが)戦力になるかどうかを見極め、チームに残すかカットするかの決断を下すことになります。PGからSFまでこなせるペニーは貴重なベンチ要員になるでしょうし、チームとしてもペニーには結果を残してもらいたいところでしょう。


私自身も1ファンとして、ペニーにはもう一花咲かせてほしいと強く願っています。思い返せば、私が本格的にNBAを観るようになったのは94-95シーズンから。ペニーの2年目のシーズンであり、マジックがNBAファイナル進出を果たした年です。私も含め多くのNBAファンが、ペニーがジョーダン引退後のNBAを背負って行く1人だと信じて疑いませんでした。あれから早12年……12年ですか……本当に早いものです。


かつてスーパースターと呼ばれ、数えきれないほどの挫折を経験し、一度はNBAの世界から消えてしまったと思われた1人の選手が、今、再びNBAのコートに立つことを目指して第一歩を踏み出しました。アンファニー "ペニー" ハーダウェイ、彼の挑戦は始まったばかりです。