歴史的アップセット


NBAレイオフのファーストラウンドが終わりました。個人的には、今年のファーストラウンドは波乱が少ないだろうと予想していたのですが……いやいや、何と言っていいのか……まさかの大アップセットを目の当たりにすることになろうとは。


既に皆さんご存知の通り、ウォーリアーズが4勝2敗でマブスを下すという大波乱がありました。マブスはここ2シーズンでウォーリアーズに1勝しかしていないという相性の悪さはありましたが、それでも、今シーズン67勝15敗という驚異的なペースで勝ちまくったマブスが、まさか7戦シリーズのプレイオフでウォーリアーズに敗れるとは……想像さえできませんでした。


ウォーリアーズの勝因はなんだったんでしょうか? バロン・デイビスの神がかり的な活躍、地元ファンの熱狂的な声援、大事な場面で力を発揮できなかったノビツキーの不振など、様々な要因が考えられるでしょうが、もっとも大きかったのは、ウォーリアーズが精神的に優位に立てたことだと思います。


ウォーリアーズがマブスのことを、「今季67勝した凄いチーム」ではなく「普段通りに戦えば勝てるチーム」という意識で試合に臨めたことが大きかったのではないでしょうか。レギュラーシーズンでの相性の良さに加え、失うものは何も無いという立場から、ウォーリアーズはプレイオフに対してもマブスに対しても、無駄な気負いなく挑んでいたように見えました。


逆にマブスの方が、苦手意識からか、あるいは勝たなければならないというプレッシャーのせいか、プレイオフの雰囲気にのまれていました。第1戦に敗れたことで、完全に浮き足立ってしまったという印象です。頼みのノビツキーも、プレイオフの6試合では平均19.7得点、FG成功率 38.3%と、レギュラーシーズンの平均24.6得点、FG成功率 50.2%から大きく数字を落とし、ウォーリアーズに傾いた流れを引き戻すことはできませんでした。


結局、昨年のファイナルを戦った2チームが1回戦で姿を消すことになったわけですが、今後の展開はどうなるんでしょうか。ウォーリアーズの次の対戦相手はジャズ。歴史的な勝利を収めたウォーリアーズの勢いがどこまで続くのか、注目です。