2007 NBAドラフト(その2)


引き続きドラフト当日のトレードの話題を。ニックスはスティーヴ・フランシス、チャニング・フライ、2008年2巡目指名権をブレイザーズに放出し、ブレイザーズからザック・ランドルフ、フレッド・ジョーンズ、ダン・ディカウ、ディミトリス・ニコルズ(53位指名)との交渉権を獲得しました。


ニックスとしては、過剰気味だったバックコートからフランシスを放出し、ランドルフを獲得できたことは大きな収穫だと言えるでしょう。ランドルフの巨額契約(残り4年約61ミリオン)や、コート外での素行の悪さを不安視する声も少なくありませんが、遅かれ早かれチームには改革が必要な状況でしたし、ガード選手ばかりが揃っているチーム構成もいびつでした。昨シーズン平均23.6得点、10.1リバウンドの成績を残したランドルフを獲得したことで、チーム力は間違いなくアップしていますし、カリーとランドルフが並ぶインサイドは、イースタンカンファレンスではトップクラスのフロントコートになるでしょう。フライの放出はニックスファンにとっては辛いところかもしれませんが、戦力的に見れば有効な補強だったと思います。……まぁ、これでアイザイアがおとなしくなるなるとも思えませんけど……。


一方のブレイザーズは、ランドルフを放出したことで、オデンを中心に据えたチーム作りを行うことが明確になりました。チームには既に、昨シーズンの新人王のブランドン・ロイをはじめ、ラマーカス・オルドリッジやジャレット・ジャックら有望な若手が揃っており、ここにさらにオデンとフライが加わるんだから凄いですね。彼らが経験を積んで成長すれば、近い将来、ブレイザーズNBAファイナルで戦う姿を見ることができるかもしれません。なお、フランシスは2年約34ミリオンの契約が残っていますが、ブレイザーズは契約をバイアウトしてリリースする模様。ニックス移籍後は目立った活躍が見られなかったとはいえ、かつてはオールスターのスターターも務めた選手ですし、復活を期待して残しておいてもいいのではという気もしますが……。今後は、若手選手の脇を固める経験豊富なベテラン選手の獲得を狙いたいところでしょう。


また、ボブキャッツとウォーリアーズの間でトレードが行われ、ジェイソン・リチャードソン、ジェマリオ・デイビッドソン(36位指名)の交渉権がボブキャッツへ、ブレンダン・ライト(8位指名)の交渉権がウォーリアーズへ、それぞれトレードされました。SGのスターターを必要としていたボブキャッツと、若手ビッグマンを獲得してインサイドの強化を図りたいウォーリアーズの思惑が一致したようです。ルーキーを含むトレードなので、現時点でトレードの内容を評価するのは難しいですが、5年後にこのトレードを振り返ったとき、我々はどのような思いを抱くのでしょうか。両チームにとって実りのあるトレードだったと言えるのか、それとも……? その評価の分かれ目は、ライトの今後の活躍次第と言えそうです。