トレード成立


ヒートとティンバーウルブズの間でトレードが成立しました。


<ヒート→ティンバーウルブズ>
アントワン・ウォーカー
マイケル・ドレアク
ウェイン・シミエン
ドラフト1巡目指名権
金銭


<ティンバーウルブズ→ヒート>
リッキー・デイヴィス
マーク・ブラント


シーズン開幕を1週間後に控えたこの時期にトレードというのは、普通に考えればあまり望ましいことではありません。ただ、オフシーズンの補強が失敗続きだったうえに、怪我人が多くチーム史上初のプレシーズン全敗を喫してしまったヒートの現状を考えれば、ライリーがトレードを決断したことも納得です。むしろ私が驚いたのは……ウォーカーの引き取り手がいたことでしょうか。(笑)


ウォーカーは昨シーズン、1試合平均8.5得点でプロ入り12年目にして初めて平均得点が一桁台に落ち込み、FG成功率が39.7%、FT成功率に至っては43.8%と目も当てられない成績でした。しかも今年のトレーニングキャンプにはオーバーウエイトの状態で現れ、コンディショニングに厳しいライリーHCを激怒させたばかりでした。


しかし、トレードで放出しようにも、契約が残り4年(3年目はプレイヤーオプション、4年目はチームオプション)残っており、サラリーも高額なウォーカーを欲しがるチームはないと思われていました。現に、最も放出したい選手の一番手であるにも関わらず、今オフのトレードの噂にウォーカーの名前が挙がることはほとんどありませんでした。そのウォーカーを放出してデイヴィスとブラントを獲得できたことは、ヒートにとって大きな収穫と言っていいでしょう。ちなみに、デイヴィスは今シーズンが契約最終年、ブラントは残り3年約24ミリオンの契約が残っています。ブラントの契約は結構大きいですが……まぁ、仕方ないでしょうね。


デイヴィスが加入したことで、プレシーズンで結果を残せていないドレル・ライトに代わってデイヴィスがスターターを務める可能性が高くなりました。ドラブルメイカーのイメージが強いデイヴィスの加入には不安もありますが、昨シーズンはウルブズで平均17.0得点、3.9リバウンド、4.8アシストの成績を残していますし、手薄だったSFとSGの両ポジションをこなせることも大きいです。また、ブラントも堅実なプレイをする選手ですし、シャック、ゾーに続く3番手のセンターとしては実力的に申し分ありません。シミエンが放出されてしまったことは個人的には残念ですが、今回のトレードはヒートにとって有意義なものだったと言えるでしょう。