ベン・ウォーレスはキャブスへ


トレードデッドライン当日に多くのトレードが成立しました。最大の驚きは、なんといってもキャブス、ブルズ、ソニックスの三角トレードですね。詳細は下記のとおり。(カッコ内は旧所属チーム)


<キャブスが獲得>
ベン・ウォーレス(ブルズ)
ジョー・スミス(ブルズ)
ウォーリー・ザービアク(ソニックス)
デロンテ・ウエスト(ソニックス)
2009年ドラフト2巡目指名権(ブルズ)


<ブルズが獲得>
ラリー・ヒューズ(キャブス)
ドリュー・グッデン(キャブス)
シャノン・ブラウン(キャブス)
セドリック・シモンズ(キャブス)


ソニックスが獲得>
ドニエル・マーシャル(キャブス)
アイラ・ニューブル(キャブス)
エイドリアン・グリフィン(ブルズ)


キャブスはいい補強をしたなという印象です。今年34歳になるウォーレスの獲得を疑問視する声もあるようですが、インサイドでの存在感は今でも相手チームにとって脅威です。特に、ディフェンス面で彼がチームにもたらす影響は計り知れません。ウォーレスとスミスの加入で、フロントコートは強化されました。また、ダニエル・ギブソンの負傷で手薄になっていたバックコートも、ウエストの加入で補強できましたし、ザービアクも戦力として期待できます。6人の選手を放出しましたが、戦力は確実にアップしたと言えるでしょう。唯一の懸念は、チームの平均年齢が上がったことですが、今すぐ優勝を狙いにいくというチームの姿勢は明確であり、いい補強だったと思います。


ブルズは、周囲の期待を裏切る結果に終わっているチームの建て直しを図りたいところでしょう。今回のトレードは、高額契約を抱えるウォーレスを放出し、若手主体のチーム作りを始める第一歩と言えます。有望な若手がたくさんいるブルズですが、チームの大黒柱と呼べるような選手(チームはウォーレスにこの役割を期待していたわけですが)は、現時点ではいません。今回のトレードで獲得したヒューズやグッデンも、いい選手ですがフランチャイズビルダーとなれるような選手ではありません。今後、誰を中心に据えたチーム作りを行うのか、あるいはFAで中心選手を獲得するのか、チームの今後の補強方針を決める必要があるでしょう。今季終了後に、また大きな動きがあるかもしれません。


ソニックスは、先日のカート・トーマス放出に続き、トレードデッドライン直前での2回目のトレードとなりました。いずれのトレードも、チームの補強というよりは、今季終了後の補強を見据えたものだと言えます。トーマス放出の見返りとして獲得したブレント・バリーは既にカットされ、フランシスコ・エルソンも今オフFAになります。また、今回のトレードでは、高額年俸を抱えるザービアクの放出が第一目的だった感があります。今オフには、余裕ができたサラリーキャップを使ってFAを補強したいところでしょう。


また、これ以外にも多くのトレードが成立しました。その内容を下記にまとめておきます。(ホーネッツ、ロケッツ、グリズリーズは三角トレード。)


<ホーネッツが獲得>
ボンジ・ウェルズ(ロケッツ)
マイク・ジェイムズ(ロケッツ)
  ↑
  ↓
<ロケッツが獲得>
ボビー・ジャクソン(ホーネッツ)
アダム・ハルスカ(ホーネッツ)
セルゲイ・リシュクとの交渉権(グリズリーズ
  ↑
  ↓
グリズリーズが獲得>
マーカス・ヴィニシウス(ホーネッツ)
マリック・バディエンとの交渉権(ロケッツ)
現金(ロケッツ)


ピストンズが獲得>
ホアン・ディクソン
  ↑
  ↓
ラプターズが獲得>
プリモズ・ブレシェック


<ロケッツが獲得>
ジェラルド・グリーン
  ↑
  ↓
<ウルブズが獲得>
カーク・スナイダー
2010年ドラフト2巡目指名権
現金


ナゲッツが獲得>
トーリーン・グリーン
  ↑
  ↓
ブレイザーズが獲得>
ヴォン・ウェイファー


それにしても、今シーズンは大物選手の移籍が多かったですね。パウ・ガソルシャキール・オニールショーン・マリオンジェイソン・キッド、マイク・ビビー、ベン・ウォーレス……オールスター級の選手が、シーズン途中にこれほど多く移籍したのは、過去に例がないかもしれません。彼らが新天地でどのような活躍を見せてくれるのか、注目です。