波乱含みのFA解禁


ドラフトも終わり、いよいよ各チームとFA選手との交渉が解禁されましたが、いきなり驚きのニュースが飛び込んできました。クリッパーズエルトン・ブランドとコーリー・マゲッティ、ウォーリアーズのバロン・デイヴィスがプレイヤーオプションを行使し、無制限FAとなりました。チーム残留が濃厚と思われていた彼らが契約をオプトアウトしたことにより、目玉選手が不在と思われていたFA市場に突如として大物が登場することに。各チームのオフシーズンの戦略にも少なからず影響がありそうです。


うーん、ブランドがFAになるのは来年オフだと思い込んでいたので、正直驚きました。しかも今回、ブランドがオプトアウトした契約は、2003年のオフにヒートと結んだ6年契約なんですよね。ブランドは当時制限付FAだったため、すぐにクリッパーズにマッチされてしまったわけですが。あれから5年も経ったのか…早いもんですねぇ。


チームの顔であるウェイドをはじめ、レブロンボッシュ、アマレら大物選手が揃ってFAになる2010年のオフを見据え、ヒートが今オフにFA選手と長期契約を結ぶ可能性は低いと考えられています。また、PFは今のヒートにとって、補強優先度の高いポジションではありません。しかし、ブランドがFAとなれば、彼を高く評価しているライリーが獲得に動く可能性は否定できません。また、ブランド自身も5年前に一度はヒート入りを決意しているわけですから、移籍先の選択肢にヒートが含まれている可能性はあります。怪我から復帰するウェイドと新加入のマイケル・ビーズリーの存在は、ブランドがヒート入りを考慮するうえでプラス材料になるのは間違いないでしょう。


もしヒートが本気でブランド獲得を狙いにいくのであれば、サイン&トレード以外の選択肢はありません。そしてそれは、ショーン・マリオンの放出を意味します。クリッパーズとしても、マゲッティにかわるSFとしてマリオンを迎えることは悪い話ではありませんし、来季が契約最終年のマリオンを獲得することは、サラリー面でもメリットがあります。


ただし、ブランドが契約をオプトアウトしてFAになったからといって、それがすなわちクリッパーズからの退団を意味するとはいえません。ブランド自身も「クリッパーズ残留が第一希望」と公言していることに加えて、鍵となりそうなのが、同じく契約をオプトアウトしたバロン・デイヴィスの動向です。地元紙の報道によれば、バロンは地元LAでのプレイを望んでおり、クリッパーズ入りが濃厚だとか。クリッパーズ入りが実現すれば、FAとなったブランドとマゲッティの決断にも影響を与える可能性が大です。バロンの加入に加えてブランドとマゲッティが残留となれば、クリッパーズの戦力が飛躍的に向上することは間違いなく、ブランドとマゲッティがクリッパーズと長期契約を結びなおす動機としては十分です。


波乱含みの幕開けとなった今オフのFA市場。所属チーム以外との契約は現地時間7月9日に解禁されますが、果たして大きな動きはあるのでしょうか? 今後どのような展開があるのか、各チームの動向から目が離せません。