エルトン・ブランドはシクサーズへ


うーん、またまたびっくり。クリッパーズ残留が濃厚と思われていたエルトン・ブランドが、シクサーズとの契約に合意したようです。ESPNによれば、契約内容は5年82ミリオンとのこと。ウォーリアーズが提示した金額よりは低いようですね。バロン・デイヴィスの加入で、ブランドのクリッパーズ残留は間違いないと思っていたんですが…。


それにしても、シクサーズというのは意外です。ビッグマンの手薄なイースタンカンファレンスに移籍することは、ブランド個人にとっては大きなメリットでしょうし、シクサーズの戦力が大きくアップするのは確実です。しかし、ブランドが加入したことでシクサーズが一気に優勝候補になるかというと…うーん、そう簡単にはいかないでしょう。優勝を狙うなら、デイヴィスが加入するクリッパーズに残留する方が可能性は高いように思えますし、単純に金額の問題ならウォーリアーズの方が条件は上。それだけに、シクサーズ入りというブランドの決断は意外です。そもそも、ブランドが契約をオプトアウトしたのは「チームが補強を進めやすいように年俸減額を受け入れるため」だとブランド本人がコメントしていたはずなのに…あの発言はなんだったんでしょうか。(笑)


また、同じくクリッパーズからFAになったコーリー・マゲッティは、ウォーリアーズとの契約に合意したようです。契約内容は、5年50ミリオンと報じられています。デイヴィスの移籍合意直後にブランドにオファーを提示し、ブランド獲得が難しいとみるや、すぐさまマゲッティ獲得に切り替えたウォーリアーズの迅速な動きには脱帽ものです。今後は、デイヴィスの抜けた穴を埋めるPGの獲得を狙いたいところでしょう。


一方、数日前には「一躍、優勝争いのダークホースに浮上か」と騒がれていたクリッパーズは、蓋を開けてみればブランドとマゲッティを失い、現時点ではむしろ戦力ダウンしちゃってます…。幸か不幸か、ブランドとマゲッティの移籍によりサラリーキャップの空きは十分なので、今後は制限付FAの若手選手獲得に動くかもしれません。このままでは終われませんからね、クリッパーズとしては…。


また、マゲッティ獲得に興味を示していたマジックは、ウォーリアーズの無制限FA、マイケル・ピートラスとの契約に合意したようです。契約内容は不明ですが、来季年俸が約5ミリオンの複数年契約になるようです。ヒートも昨オフにピートラス獲得に動いており、ピートラス自身もヒート入りを希望していましたが、今オフはサラリーキャップの都合上、ヒートからの積極的なアプローチはなかったようです。


さて、そのヒートですが、今オフ最初の補強に動きました。マイアミ地元紙が伝えたところによると、ブレイザーズの無制限FA、ジェイムズ・ジョーンズとの契約に合意間近とのこと。契約の詳細は不明ですが、最初の2年が保証された5年契約になるようです。昨オフにジェイソン・カポーノとジェイムズ・ポージーを失って以来、深刻なシューター不足に悩まされていたヒートにとって、昨季NBA3位のスリーポイント成功率44.4%を記録したジョーンズの加入は大きいですね。これで、リッキー・デイヴィスの残留の可能性はほぼ無くなったとみていいでしょう。


シューターを獲得できたことにより、ヒートの補強ポイントはPGとCに絞られました。引き続き、キオン・ドゥーリング、クワミ・ブラウン、ジャネロ・パーゴ、ロジャー・メイソンらの名前が噂に挙がっていますが、ジョーンズとの契約でミッドレベル枠の大半を使うことになると思われるため、FA選手との契約だけでPGとCの両ポジションを補強するのは難しいでしょう。つまり、近いうちにトレードが行われる可能性が高いと言えます。具体的な噂は今のところ聞こえてきませんが、放出されるのはマリオンかハズレムか、はたまた他の選手か…。今からあれこれ考えても仕方ないので、覚悟を決めて待つしかなさそうですね…。