WBC 日本 vs 台湾


いやぁ、昨日の台湾戦は凄かったですね。ワン・チェンミンに6回零封され、0-2でリードを許していた時点では、多くの人が日本は負けるだろうと感じていたではないでしょうか。しかしそこから怒涛の反撃。9回2死からの井端の同点タイムリーは、興奮しすぎてもう何と表現していいのか分からんって感じ(笑)でしたが、個人的に試合の最大のキーポイントだったと思うのは、井端の同点タイムリー直前の鳥谷の2盗です。あの盗塁がなければ日本は負けたんじゃないかと思うわけですが、もしあの盗塁が失敗していたらそれでゲームセット。鳥谷は敗戦のA級戦犯扱いされていたかもしれません。判定自体も非常に際どいものだったと思います。天国と地獄は紙一重というスポーツの恐ろしさを垣間見た気がします。結果が日本にとって「天国」だったからこそ冷静に振り返れるのでしょうが。


ところで、昨日の試合で白熱の試合内容と同じぐらい印象的だったのが、両チームの選手やファンにスポーツマンシップが満ち溢れていたことです。試合前には「震災時の台湾からの多額の義援金に感謝の意を示すプラカードを掲げよう。」という呼びかけがTwitter上で広がり、実際にスタンドではそのようなプラカードが掲げられていました。(規定により一定の大きさを超える横断幕などは禁止されていたようなので、実際にスタンドにそれらを持ち込んだものの使えなかったという人も相当数いたのではないかと予想します。) また、非常に悔しい負け方をしたにも関わらず、試合終了後の台湾チームの態度や監督のコメントも非常に潔く、感動的でした。


試合後、TwitterYouTube で台湾の現地の状況などをいろいろ調べていたのですが、現地の盛り上がりっぷりが半端ないことに驚愕しました。台湾現地でのパブリックビューイングの様子がこちら。





明らかに日本以上に盛り上がっています。(笑) いくつか YouTube の映像もピックアップしてみますと…


【現地でのパブリックビューイングでの様子】
http://www.youtube.com/watch?v=xgNpHU5ldds


【井端の同点タイムリー時のリアクション】
http://www.youtube.com/watch?v=VNOqa6gH01Q


【試合後の現地のニュース】
http://www.youtube.com/watch?v=TEO3E68bwT0


これほどまでに台湾が WBC の日本戦で盛り上がっていたのは、日本野球への敬意と、日本を破れば歴史的偉業だという思いがあったためだと思われます。日本人からすれば、台湾はオリンピックでメダルも獲得しているし、多くのメジャーリーガーや日本プロ野球選手も輩出しており、既にアジアの強豪という認識がありますが、台湾の人たちからすれば、日本野球は今でもライバルというよりも憧れの存在という認識が強いようです。


試合後、Twitter では数多くのつぶやきが見られましたが、どれも両チームの健闘を称え合うものばかりでした。国と国との真剣勝負では両チームのファンが殺気立った雰囲気になることも珍しくないことを思うと、これは本当に素晴らしいことです。スポーツの素晴らしさの神髄を見た気がしました。


台湾は今日、生き残りをかけてキューバと対戦します。エースのワン・チェンミンに加え、6人もの投手を日本戦に投入したことを考えると、非常に厳しい戦いになると予想されますが、頑張ってほしいものです。日本と台湾がともに WBC 本戦に勝ち上がれることを願うばかりです。加油、中華隊!