6年の月日が流れ


契約先が注目されていたグレッグ・オデンはヒートと契約することとなりました。ESPN によれば、総額2ミリオンの2年契約で、2年目はプレイヤーオプションとのこと。NBA入り以来、6シーズンで出場試合数はわずか82試合。最後の試合出場が2009年12月。その後は度重なる膝の怪我のため全くプレイしていないことを考えると、今回のヒートの契約をギャンブルと見る向きもあるかもしれません。もちろん、怪我の再発というリスクは当然あります。しかし、契約内容を考えれば、今回の補強はヒートにとって極めてローリスク・ハイリターンという印象を受けます。バードマンとの再契約に成功したとはいえ、インサイド、特にセンターはヒートにとって依然として大きな懸案事項であり、特にディフェンス面での貢献が期待できる純粋なセンターの獲得は、ヒートのニーズにぴったりとマッチします。仮に怪我が再発してプレイできなかったとしても、2年2ミリオンという金額であれば諦めもつくでしょう。


振り返ってみれば、オデンがブレイザーズから1位指名されたのは2007年6月。その年、2位でソニックスに指名されたのがケビン・デュラントでした。2人ともカレッジでの華々しい実績を引っ提げ、大学在籍1年でのアーリーエントリー。この年の1位指名は2人のどちらかであることは確実視されていましたが、結果的に1位オデン、2位デュラントとなった指名順位に異論を唱える人はほぼ皆無でした。在籍1年でオハイオステイトをNCAAファイナルまで導いたオデンの評価は、それほどまでにずば抜けていました。


あれから早6年。チームをNBAファイナルに導き、若手スーパースターとしての地位を不動にしたデュラントと、4年ぶりにNBAのコートに立とうとするオデン。カレッジ時代から2人を見てきた身としては、オデンが再び輝きを取り戻し、大きな舞台でデュラントと対峙する日がくることを強く願わずにはいられません。復活を期す彼の物語は、今後どのような形で紡がれるのでしょうか。